HTTPリクエストおよびレスポンスをログに出力する
HTTPリクエストおよびレスポンスをログに出力するため、 Logbook を使う方法について説明します。
Logbookは、HTTPリクエストおよびレスポンスをログに出力するためのライブラリです。 様々なメッセージ形式や出力方法に対応していますが、このページでは以下の実装について説明します。
実装したAPIへのリクエストを受信したら、リクエストおよびレスポンスのログを出力する
外部のAPIへリクエストを送信したら、リクエストおよびレスポンスのログを出力する
リクエスト送信にはRestTemplateを使用し、メッセージの形式にはJSONを使用する
JsonPath を使用して、JSON形式の特定項目に対してマスク処理を行う
以下のサンプルコードの動作確認環境については、 動作確認環境と依存ライブラリについて を参照してください。
Logbookを使うための設定例
- pom.xml
依存ライブラリに logbook-spring-boot-starter を追加します。 これによりLogbookが自動で構成され、よく使用される設定がデフォルトで有効になります。 詳細は LogbookのREADME を参照してください。
<dependency> <groupId>org.zalando</groupId> <artifactId>logbook-spring-boot-starter</artifactId> <version>3.7.1</version> </dependency>
- application.properties
LogbookのログはTRACEレベルで出力されるため、ログレベルを設定します。
logging.level.org.zalando.logbook=TRACE
- Bean定義
Logbookはデフォルト設定で有効化されていますが、Bean定義することでカスタマイズすることができます。 ここでは、リクエスト/レスポンスボディの
id
項目をマスクする設定に変更します。@Bean public Logbook logbook() { // Logbookを生成(リクエスト/レスポンスボディの id 項目をマスクする) return Logbook.builder() .bodyFilter(JsonPathBodyFilters.jsonPath("$['id']").replace("***")) .build(); }
実装したAPIへのリクエストおよびレスポンスをログ出力する実装例
前述の設定例に沿って設定すると、実装したAPIへのリクエストおよびレスポンスの内容がログ出力されるようになります。 例えば、GETリクエストを受信してレスポンスを返却した場合は、以下のようなログが出力されます。
リクエストのログ
2023-12-14T17:18:31.790+09:00 TRACE 27798 --- [o-auto-1-exec-2] org.zalando.logbook.Logbook : Incoming Request: 8a56e7263eb07a9e
Remote: 127.0.0.1
GET http://localhost:52116/user HTTP/1.1
accept: application/json, application/*+json
connection: keep-alive
host: localhost:52116
user-agent: Java/17.0.8
レスポンスのログ(設定に従って id
項目の値はマスクして出力される)
2023-12-14T17:18:31.793+09:00 TRACE 27798 --- [o-auto-1-exec-2] org.zalando.logbook.Logbook : Incoming Response: be742b576f2c3a04
Duration: 1 ms
HTTP/1.1 200 OK
connection: keep-alive
content-length: 40
Content-Type: application/json; charset=utf-8
{"id":"***","username":"hoge"}
外部のAPIへのリクエストおよびレスポンスをログ出力する実装例
Logbookでは、様々なクライアントに登録するためのクラスが提供されています。
ここではRestTemplate用に提供されている LogbookClientHttpRequestInterceptor
クラスを使用します。
- Bean定義
ここではRestTemplateを使用するため、Bean定義されているLogbookを元に
LogbookClientHttpRequestInterceptor
を生成し、RestTemplateにインターセプターとして登録します。@Bean public RestTemplate restTemplate(RestTemplateBuilder builder, Logbook logbook) { // Logbookを設定したRestTemplateを準備する return builder .additionalInterceptors(new LogbookClientHttpRequestInterceptor(logbook)) .build(); }
- Controller
Logbookを設定したRestTemplateを使用して、外部のAPIへリクエストを送信します。
@GetMapping("/user") public User get() { // Logbookを設定したRestTemplateを使用する ResponseEntity<User> response = restTemplate.getForEntity(endpoint, User.class); return response.getBody(); }
外部のAPIへGETリクエストを送信した場合は、以下のようなログが出力されます。
リクエストのログ
2023-12-14T17:18:31.791+09:00 TRACE 27798 --- [o-auto-1-exec-2] org.zalando.logbook.Logbook : Outgoing Request: be742b576f2c3a04
Remote: localhost
GET http://localhost:52110/user HTTP/1.1
Accept: application/json, application/*+json
Content-Length: 0
レスポンスのログ(設定に従って id
項目の値はマスクして出力される)
2023-12-14T17:18:31.794+09:00 TRACE 27798 --- [o-auto-1-exec-2] org.zalando.logbook.Logbook : Outgoing Response: 8a56e7263eb07a9e
Duration: 3 ms
HTTP/1.1 200 OK
Connection: keep-alive
Content-Type: application/json
Date: Thu, 14 Dec 2023 08:18:31 GMT
Keep-Alive: timeout=60
Transfer-Encoding: chunked
{"id":"***","username":"hoge"}
サンプル全体は api-logging-sample を参照してください。